1886年に建てられた礼拝堂は、プロテスタントのチャペルでは現存する日本最古の煉瓦建築で、国の重要文化財。同志社教育のために本格的なチャペルの建設を待ち望んでいた新島襄は、定礎式で「此礼拝堂ハ我同志社ノ基礎トナリ、又タ精神トナル者」と語り、その完成を大いに喜んだそうです。
永年、同志社中学の毎朝の礼拝が行われ、卒業生にとっては思い出深い場所、心のよりどころともなってきました。
2012年に改修工事が行われ、2013年4月より礼拝堂での挙式も可能になりました。
新島襄とともに同志社を結社した山本覚馬、アメリカン・ボードを代表する形で同志社と新島に支援を惜しまなかったJ.D.デイヴィス。
開校に欠くことのできない3人の肖像画が、講壇両側の壁に掲げられているのは、歴史的にとても相応しく、この礼拝堂が同志社にとって特別の場所であることを示しています。
D.C.グリーンの設計による、同志社で2番目の煉瓦建築。
急こう配な切妻造の屋根などシンプルな美しさ、施された優れた意匠などゴシック建築の特徴がよく表されています。
堂内もプロテスタントの会堂らしい簡素な造りで、そこにいると創建当時のままに時がゆったりと流れ出すようです。
中央の円形のバラ窓、左右のアーチ窓に施された技術は、木枠組に色ガラスを入れてステンドグラスを模したもの。
当時は大変珍しく、学生たちはその美しさに目を奪われたといいます。
修復によって丁寧に磨きこまれ、輝きも見事に復元しました。